第105回 長期介護保険(Long Term Care Insurance)を考える
●Long Term Care(LTC)保険とは?
LTC保険は介護が必要となった時に備えて加入する保険です。健康なうちは介護が必要になるとは想像ももしませんが、次の統計をご覧下さい。
*65歳以上の人で介護が必要となる確率は70%以上である。
*介護が必要となった人達の40%は65歳以下の人であった。
(共にU.S.Department of Health and Human Services National Clearinghouse for Long Term Information, 10/22/2008から引用)
介護は高齢者だけが必要とは限りません。交通事故、心臓発作、糖尿病やアルツハイマーなど、介護が必要となる理由は多数あります。通常の日常生活が出来なくなると、介護してもらう必要が出てきます。介護が必要と判断された場合に、LTC保険から支払いを受ける事が出来ます。
●LTC保険は何をカバーする?
介護が必要と診断された場合、介護の度合いや希望によって様々な介護方法があります。自宅にて介護を受ける場合には、身内の人が介護するケースや、看護師や介護師に来てもらうケースがあります。施設にて介護を受ける方法もあり、介護の度合いはサービスによって費用が大きく異なります。どのような場合にも、介護の費用は大変高額で、年々高騰しています。LTC保険では、介護が必要と診断されましたら、加入時に設定した金額が支払われます。
●LTC保険の加入時期
LTC保険は生命保険と同じく、若くて健康なうちに加入するのが鉄則です。今からもっと老齢化がすすみ、介護費用も高騰してくると保険の料率も上がります。実際に保険料金は上がってきてます。健康状態によっても大きく異なり、料率を上げられるだけでなく、加入を拒否される事もあります。介護が必要となってからこの保険に加入する事はできませんので、健康なうちに安くで加入するのが最も良い方法です。早くから加入すると、介護が必要となるまでに長期間支払いますが、後になってから加入するよりも安くなります。早くから加入したら損という考え方は間違いです。
●プラン選びの注意点
LTC保険は自分で好きなように色々とカバー内容、保障期間、待ち時間、支払い金額などを設定できます。物価の上昇に合わせて支払額を自動的に引き上げていくオプションは必ずつけた方が良いと思います。現在の介護費用と10年後、20年後の費用は大きく異なっていると思います。介護が必要と診断されてから、保険が適用されるまでの待ち時間も掛け金に影響します。それぞれ違ったオプションで何種類も見比べ、自分に一番あったプランを選ぶようにして下さい。